Kartin Lab

アスペルガーとハスキーとガーデナーが織りなすB型な日々

男と女

今週のお題「Re:大切な人へ」理想のホワイトデー

 

叔父は6年もの間、一人の女性に仕送りを続けていた

自身も病気をし、働けない日もあり困窮していたが

借金をしてでも女性への仕送りは滞りなく続けた

 

そして、定年

 

仕送りはそこで終わり

女性との関係も途絶えた

 

女性は感謝してくれているだろうか

そうだとしたら、叔父の生活が乱れることはなかっただろうし

女性と同じ手口で同情を集め、年老いた兄弟からお金を奪うようなことはしなかった

  

きっと悔しかったんだろう

 

でも、そこまで好きになれる人に出会えたこと

それが人生で一番素敵な思い出

そう考えられたら、叔父の人生はもう少し豊かだったように思う

 

数字しか並んでいない銀行の通帳15年分

その数字から見えてくる一人の男の人生

サラ金からの借り入れを一括返済してくれた人の存在も見えてくる

 

その人への返済も滞りなく返し続け数年前に完済

最後には払い過ぎた分を返還してくれる律儀な人物との出会い

その人個人に感謝することも大切だけど

そんな素敵な人物と出会えたこと、そのことに感謝するほうがいい

信仰心は薄いけれど、それが神のご加護と喜ぶべき事柄

そう思えたならば、叔父の人生はもっと素敵だったように思う

 

公正証書を書かせたり、生前贈与だと言って無理やりお金を引き出させたり・・・

上手いこと騙してやったと思っていたのだろうけれど

結局、自分のほうが先にあちらへ行くことになってしまった

そんな天罰を与えてくださいなどと、誰も祈ってなんかいないのに

 

最後の最後

誰かの手を借りなければならなくなった今になり

全てが明るみに出て家族からの信頼を失う結果に

 なんて残念な顛末なんだろう

 

 叔父にとって最後であろうホワイトデーに、貢いだ彼女から感謝状の一枚でも届いたら

とても素敵な幕引きになるのに・・・

 

銀行の預金通帳から見えた一人の男のドラマは

映画のように美しくは終わってくれない

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