Kartin Lab

アスペルガーとハスキーとガーデナーが織りなすB型な日々

愛のカタチ

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

 

私の祖父母の関係は一言で言い表せば「いびつ」

奉公先のお嬢様(今の時代から見たらお姫様)と丁稚のカップルです

NHKの連ドラに例えるならば「朝が来た」とか「わろてんか」のヒロインと

奉公人の結婚、あり得ない話です

 

24時間、365日、一生涯

奉公人として妻を支えることを約束したようなものです

 

その事実を知らなかった頃は二人の関係にも

息子である父が、彼らと家族であることにも、どうしても合点がいきませんでした

仕立て屋さんで作った服を着て出かける祖母と父の後ろに、ボロを纏った祖父

幼い子供の目にも格差がハッキリと見えました

 

そんな祖父のことを私自身も心のどこかでバカにしていたように思います

 

大人になり、結婚し、子供を産み育て、家業を継ぎ・・・

そしてようやっと見えてきたものがあります

祖父は選ばれし人物だということが

 

丁稚から番頭に上り詰めた祖父には

           人徳と商才が備わっていました

 

到底真似のできないことなのだと、今更のように思い知らされているのです

戦前は生糸工場を立ち上げ、それなりの財を築いていました

それを空襲ですべて失いました

 

私はその祖父の遺してくれた資産で生き延びています

今年、家業のリニューアルを果たしたことで、祖父の偉大さが見えてきたわけです

祖父だったら、このリニューアルをどのように行っただろう?

考えてもわかりませんし

これで本当によかったのか否か不安で、教えてほしい気持ちになります

 

祖父母の関係についても、格差ではないのだと実感

お姫様をひな壇から降ろしてはならない!

この強い気持ちが祖父の行動力の源

誰だって、自分の為だけに力を出し切ることは出来ません

 

庭に植えられていた植栽の一本一本を思い出してみると

その一本一本が、祖母への愛情表現でした

梅、桃、アンズ、ザクロ・・・

花がきれいで、実がおいしい

キレイなものが大好きで、食いしん坊の祖母を楽しませるに十分な選択

 

美人の誉れ高かった祖母のことが本当に好きだったんだなぁと

ジワジワと沁みてきたのです

 

祖母はお嬢様育ち、且つ末っ子

上品なだけでなく、のんびりしていました

不満があっても祖父に耳打ちする程度

嫁いびりもしませんでした

そう思い返すと、美人で性格も良ければ、愛されて当然だなぁと合点がいったのです

 

一方的ではないかとの疑いも晴れました

祖父が亡くなった後、祖母は「念力」でお墓と仏壇を手に入れました

没落貴族の手放した高価な仏壇と公園墓地

後を追うように亡くなるまでの一年で、どちらもなんなく手に入れ

祖父を弔ったのです

 

なんなくでの倍率ウン十倍の墓地一発当選は念力としか言いようがありません

ちなみに、母方の祖母は13年かかって当選しました

さらに、没落貴族が丁度良くその時に仏壇を手放す確率ってどのくらい?

 

傍目にどう見えようが

     彼らの間には深い愛情があったのです

 

 

家業を継いだからこそ聞こえてきた二人の秘密

誰も語りたがらなかった様々な事柄からこの答えにたどり着けた自分は

幸せ者のように思えてなりません

 

文才があったらなら小説が一本書けそうなくらいドラマチックな人生

だけど、私には商才も、文才も、備わっていない

残念・・・😢

 

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「アイラブユー」を「月がきれいですね」と表現するような関係

ちょっと憧れます