Kartin Lab

アスペルガーとハスキーとガーデナーが織りなすB型な日々

情が深いは長所か短所か・・・表裏一体

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

 

昨日の投稿はブログを始めて以来初めての反響をいただきました。

ありがとうございます<(_ _)>

 

が、しかし!

 

昨日の心温まる物語には,、少々過酷な序章が存在するのです💦

 

番頭の祖父は間違いなく、そして密かにお嬢様の祖母を慕っていたはずです

でも、祖母のほうは定かではありません

この結婚は雇い主である祖母の父親と、年の離れた祖母の姉の画策によるもの

祖母の将来を憂い、最善を尽くした結果なのです

 

人が亡くなると、生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を揃えます

 

その時、祖母の秘密が明るみに💦

 

年長者は恐らく知っていたでしょうが、誰もそれを口にせず

当事者である私の父ですら、何となぁ~く、もしかしたら??

その程度の認識しかありませんでした

 

 

周囲はみんな知っているのに、当の本人だけが知らない

ドーナッツ現象が起こっていました

 

それらはすべて忠義の名のもとに守られ続けていたのです

 

祖母は母親を早くに亡くしましたので

良家の娘として「躾」てくれる人がいません

そこで、年長の姉は考えあぐね、行儀見習いに出したのです

女中さんよりは少し扱いがいい程度の「家事手伝い」のようなものです

 

行儀見習いに出た家には「書生」と呼ばれるたくさんのエリートが出入りしていました

住み込みで、その家の主人から学ぶ人も・・・

 

その家には、内務省への就職が決まっていた一人の男性がおりました

背はすらりと高く、彫は深く、筋の通った段鼻の、ちょっとバタ臭いナイスガイ

 

勘の良い方はここで既にお気づきでしょう

 

 

祖母とそのナイスガイは結婚の約束をしました

しかし

その半年後・・・

ナイスガイは結核であっけなくこの世を去りました

祖母のお腹に忘れ形見を残して

 

我が家へちょくちょく遊びに来てくれた「片肺」の親戚のオジサンは

私の本当の叔父で、父の兄

子供のいない親戚の家に養子に出されたのです

 

こんな事件を起こしてしまった祖母は

この先、お嫁に行くことが難しい状況に・・・

 

そんな折、声を上げたのが私の祖父

勿論、そこには強大な「忖度」がありました

有無を言わさぬ祖母の姉の眼力が

祖父に声を上げさせたといっても過言ではありません

 

だけど、本当に「忖度」だけだったわけではありません

祖父が内心「ラッキー!」と思ったこともまた間違いではなかったことでしょう

 

そして、奉公人と結婚させられたと感じていた祖母も

祖父の深い愛情に触れることで、信頼し、心を開いていったはずです

祖父の人徳と商才に、尊敬さえ感じたかもしれません

 

祖父に人徳が無ければ

祖母の秘密がここまでしっかりと守られることはなかったでしょう

 

ところが、余りにしっかりと秘密が守られてしまったことで

寂しい思いをした人がいました

それが叔父です

 

私は持ち前の好奇心から、叔父に直撃取材させていただきました

話すことを嫌がるかと思ったら

ここぞとばかりに知り得るすべてを教えてくれました

 

遺伝的に呼吸器系が弱く結核になったところも、誠実な人柄も、そして顔立ちも

叔父と祖母の恋人はそっくりでした

 

叔父は自分の父親がどれほど優秀な人物であったのかを

誰かに話したくて仕方なかったのです

でも、祖母の秘密を守るために、どうしても口に出来なかった

それをこっちから訊ねにいったのですから、どれほど嬉しかったことか

 

「これで父さんのことが闇に葬られずに済んだ」

 

そういって叔父は大変に感謝してくれました

 

渦中の祖母はとっても情の深い人だったのでしょう

叔父は祖母が自分の母親だと知らされぬまま

祖父の生糸工場で奉公していました

奉公人としては破格の扱いで・・・

 

 祖父にしてみれば、仇の子供です

ライオンなら噛み殺されています

 それでも受け入れた

これ以上の愛情表現はなかったことでしょう

 

自由恋愛御法度の時代に恋に落ちた男女の悲劇と

その尻拭いを一生涯かけて果たした「義」の男の物語です

 

 

祖母を破廉恥不埒な女と感じる人も多いと思います

それはそれで致し方のないことです

このことで

昨日の物語の値打ちが下がってしまったのだとしたら

それは私の文才のなさゆえです

申し訳ありません

 

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