Kartin Lab

アスペルガーとハスキーとガーデナーが織りなすB型な日々

かいじゅうたちのいるところ

今週のお題「読書感想文」

 

読書が好きになったのには理由があります

以前は空想のお話しが嫌いで、ドキュメンタリーやエッセイばかり読んでいました

事実でなければい意味がないと、どこかで決めつけていたんだと思います

そんな私を変えた出来事は・・・

 

では、まずはここでお願いを

ティーブマックイーン主演大脱走のテーマ曲を思い出し

心の中でリフレインさせてください

 

 

昔むかし あるところに 一人の気の毒な男がおりました

人柄も頭もよいけれど 男には一つ大きな秘密がありました

その秘密自体 男には何の責任もない

隠したくて隠しているわけでもない

 

その秘密がある日 大勢の知るところとなりました

男は人生を賭けて守り続けてきた家族の秘密が皆の知るところとなり

とても傷つきました

 

男の心は乱れました

自分では消化できないくらい大きな怒りが沸き上がり その怒りは黒い渦を巻き

男の体を突き破りました

そして 

男は眠っている自分の子供の顔にこぶしを振り下ろしました

そのこぶしは次に

家の壁へと向かいました

壁は崩れ白い粉が飛び散りました

 

翌朝

男が目を覚ますと ダイニングから家族の笑い声が聞こえました

男は自分が笑われていると思いました

そして 

キッチンへ赴き 棚を開き 包丁を取り出すと

カウンターの上に置き

「どうぞ、僕を殺してください」

男は家族にそうお願いしました

 

男の妻 そしてまだ幼い子供達も 何も聞こえない振りで食事を続けました

ここで包丁を握ったら 負けです

何事もないかのように 会話は続きます

これは命を懸けた大博打です

 

男はしばらくすると 何かを呟きながら姿を消しました

 

家族はじっと息をひそめ 待ちました

男が戻らないことを祈りながら・・・

そして

着の身着のままで家を後にしました

行く当てもないまま

大脱走のテーマ曲を口ずさみ 前へ前へと行進しました

 

ただ 生きるために 生き残るために・・・

めでたしめでたし??

 

 

この後、私は家族を連れて修道会の運営するシェルター施設へと避難しました

そこでの消灯時間は21時

それ以降は小さなライト一つしか使うことが許されていません

3人で布団は2枚

そこに川の字に並び不安な夜をやり過ごします

 

包丁を目の前にしても涙一つ見せなかった子供達ですが

相当にコワかったようで

乖離を起こしたり 自家中毒になったり 散々でした

 

そんな子供たちを救ったのがモーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ

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映画にもなりましたが やはり 絵本のほうがみんな好き!

たまたま 図書館で借りていて 返す予定が返せなくなり

そのままシェルターまで連れて行ってしまった本でした

 

この時、アスペ2号はまだ2歳

眠れぬ夜を この本の読み聞かせだけで乗り切りました

一晩に何度も何度も

眠りにつくまでせがまれました

シェルターで過ごした約100日の間に何回この本を読んだでしょうか

 

アスペ1号はこの時「怪人20面相」を借りていました

怪人20面相を読んでいる途中から かいじゅうたち・・・を聞く

それだけがここでのお楽しみ

 

着の身着のままとは そういうこと

携帯電話も ゲームも テレビさえありません

 

私は今でもずっと気になっています

アスペ2号の目に、耳に、かいじゅうはどのように映っていたんだろうかと

「お願い行かないで

   食べちゃいたいほどお前が好きなんだ

              食べてやるからいかないで」

 

かいじゅうたちの姿や発言は奇妙で 父親の異常な行動と重なってしまいそうです

 

お父さんが壁をドンとして、白い粉がバラバラって落ちて

お兄ちゃんが泣きながら それを掃除機で吸ったの・・・

 

アスペ2号は一部始終を見ていたし、記憶していましたが

かいじゅうたちのいるところ」に対する感想は聞きだせませんでした

2歳の子供に「読書感想文」を書かせるのは無理ということです

 

感想文なんて必要ないんです

本の力はそんなところにはありません

究極、本であれば電球一つでも月明かりでも読めます

何冊も必要もありません

たった一冊でもいいんです

家族が寄り添いたった一冊の本を読む

何度も 何度も・・・

 

近頃災害が多く発生しています

子供達の心のケアがとても重要になっています

でもね、テレビもスマホもいりません

どうせ停電なんだから

 

その時 役に立つのは一冊の本

 

電子書籍は場所を取らなくていいけれど

停電時には読めません

本離れ、本屋離れが激しくて

どんどん町の中から本屋さんが姿を消しています

それが私はとても悲しい

 

本に命を救われた身としては 本を守りたい

図書館戦争みたいに

 

アスペ2号は図書室の番人になりました

アイツを探すならまず図書室!が学校中に周知されるほど

そんなアスペ2号ですが感想文は苦手です

好きな部分を丸ごと書き出してしまう勢いで書いてしまうからです

 

アスペ2号が得意とするのはブックレビュー

お勧めしたい本

お勧めする理由

感動した一節

小さな紙いっぱいに思いのたけを綴ります

 

読書をして感じることは 前向きな事柄ばかりではないのに

読書感想文にはマイナス思考は許されません

そんな宿題なんて「オワコン」でしかありません

 

心の翼を広げるひとつのツールとして

本をもっと自由に使っていいと思います

「マンガでわかる量子力学」 お世話になりました <(_ _)>

マンガじゃいけないなんて偏見ではないでしょうか?

 

読解力を付けるなら

知りたいことを持ち、それについて調べるのが一番ですよ

つまんない課題図書なんていりません

 

命がけの大脱走劇も、振り返れば家族が寄り添い、力を合わせたいい思い出です

鼻歌歌いながら逃げる私はどうかしてとると思うけど・・・

アドレナリンが大放出されちゃったんでしょうね!

 

最近見つけた素敵な本をご紹介します

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私たちの見つけた本屋さんも掲載されていて嬉しい💛

ちなみに、私は読書感想文、頼まれれば喜んで書いてしまいます!

それを読んで、学校に持って行ける勇気があるなら、ご依頼お待ちしています??

 

ちょっと長くなりすぎましたかしら?

最後までお付き合いくださりありがとうございました